巫女下るお山は霞濃くなりて

三峯神社にある山口青邨の句碑

みこくだる おやまはかすみ こくなりて

山口青邨の句碑秩父にある三峯神社は、俳句にもゆかりのある連歌の祖・ヤマトタケルとの縁が深い神社。東征の折、上野国から碓氷峠に向われる途中でこの地に立ち寄り、伊弉諾尊・伊弉册尊を祀ったという伝説が残る。ヤマトタケルを先導した狼を守護神とする神社であり、狼の狛犬と三ツ鳥居があることでも有名。近年では関東有数のパワースポットとして、多くの参拝客を引き付けている。
山口青邨は昭和16年、この三峯神社に参拝している。秩父の俳人・有本銘仙らの案内で宿坊に一泊し、この句を詠んだ。
句碑は、随身門をくぐってしばらく歩いた丘の上に立つ、ヤマトタケル像を見上げるように建立されている。添えられた石碑に、昭和61年9月28日「夏草」埼玉県支部の文字が見える。


▶ 句碑の場所をグーグルマップで確認する

山口青邨句碑巡り 2016年10月2日

山口青邨句碑毎月1日には、特別に効力の強い白いお守りの頒布があるということで、秩父湖からの車道約10キロは、大渋滞になる。それも知ってはいたが、何とかなるだろうと出かけた10月1日は、3時間もノロノロ運転を続けた挙句、結局断念。翌日再トライすることとなった。山口青邨句碑

それにしても、凄まじい神気に覆われた山である。役の小角も修行した修験道の地だけあって、男気の強いところで、この句のようなやわらかさは微塵も感じられない。ただ、関東一のパワースポットと言われるためか、参拝客には女性が多い。
丘の上に立つヤマトタケルは、そんな女性の中に、ヤマトタケルを救うために波と散ったオトタチバナヒメの面影を探っているのではないか…とも思う。ヤマトタケルが「吾妻」と呼びかけ、「東(アズマ)」の語源にもなったという姫。
75年前に参拝した青邨もまた、オトタチバナヒメを追いかけたのだろう。けれどもやはり、姫の消えた海とは異なる深い山中には、形を消し去る霞があったと見える。
この日もまた、深い霧に覆われていた。

インターネット歳時記


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