俳句

俳句検索結果(季語付き)



はろけくも峰越とんび大旦  大庭紫逢 大旦(新春)
元朝の鳥のくちばし晴れわたる  あざ蓉子 元朝(新春)
松七日喪中を盾の旅を過ぐ  伊藤白潮 松七日(新春)
幕あひのさゞめきたのし松の内  水原秋桜子 松の内(新春)
上手にも橋きらきらと松の内  宇佐美魚目 松の内(新春)
歯朶さやぎ二日昏れゆく深曇  小松崎爽青 二日(新春)
ふつつかな凧が二日の木の股に  攝津幸彦 二日(新春)
天龍に下す三日の諏訪の水  上田五千石 三日(新春)
けふ四日山を出入りの鳥を見て  吉田汀史 四日(新春)
コンドルの貧乏歩きも四日かな  飯島晴子 四日(新春)
ぽこぽこと五日の出湯や麓人と  星野麥丘人 五日(新春)
髪剪つて六日の風の新しく  黒田杏子 六日(新春)
山畑に火を放ちをる七日かな  大峯あきら 七日(新春)
人の日の舌まろやかにあられ酒  小松崎爽青 人日(新春)
人日の納屋にしばらく用事あり  山本洋子 人日(新春)
夜をこめて大根を煮る小正月  細見綾子 小正月(新春)
山川に流るる菜屑小正月  清原枴童 小正月(新春)
大根葉の青さゆゆしき女正月  飯島晴子 女正月(新春)
松過ぎてよりもどりけり袖だたみ  加藤郁乎 松過ぎ(新春)
松過ぎの鶏鳴軽し畑けむり  平子公一 松過ぎ(新春)
松過ぎの大和の国や鯉を煮て  赤尾富美子 松過ぎ(新春)
初春や眼鏡のままにうとうとと  日野草城 初春(新春)
初春の風にひらくよ象の耳  原和子 初春(新春)
初春の二時うつ島の旅館かな  川端茅舎 初春(新春)
旧正の山又山でありにけり  大峯あきら 旧正(新春)
旧正や船より排す天主堂  棚山波朗 旧正(新春)
道ばたに旧正月の人立てる  中村草田男 旧正月(新春)
野火止に赤松多し初松籟  沢木欣一 初松籟(新春)
おほかたは男松の声の初松籟  鷹羽狩行 初松籟(新春)
有明山初松風をおろしけり  上田五千石 初松風(新春)
初東風やはしけの艫に炊ぎの炎  長崎玲子 初東風(新春)
初東風や濡れて輝く潮仏  恩田哲生 初東風(新春)
初東風にたてがみなびく三春駒  加藤三陽 初東風(新春)
ひたすらに登る石段初東雲  矢野靖子 初東雲(新春)
川一筋初東雲の一文字  島居三朗 初東雲(新春)
おごそかに初しのゝめに海の音  野田別天楼 初東雲(新春)
初空や一片の雲耀きて  日野草城 初空(新春)
初空の藍と茜と満たしあふ  山口青邨 初空(新春)
大江戸の初空神田囃子かな  渡辺恭子 初空(新春)
この国の水ふんだんに初日の出  望月精光 初日の出(新春)
鳳凰の翔ぶ風呂敷へ初明り  吉田汀史 初明り(新春)
初あかりそのまま命あかりかな  能村登四郎 初明り(新春)
機首立てしより全翼に初茜  土生重次 初茜(新春)
初茜鶏鳴松をのぼりけり  櫛原希伊子 初茜(新春)
馬小屋に馬目ざめゐて初茜  有働亨 初茜(新春)
初凪に鷹も舞ひいで祝ぎまつる  水原秋桜子 初凪(新春)
初凪や詩碑に青き藻つきしまま  友岡子郷 初凪(新春)
初凪やもののこほらぬ国に住み  鈴木真砂女 初凪(新春)
初富士の見えずなりしを口にせず  丸谷才一 初富士(新春)
初富士の蒼天割つて現れし  小川原嘘帥 初富士(新春)
初筑波ゆふべ再び雲を出づ  岡田日郎 初筑波(新春)
県より海老たてまつる初霞  水原秋桜子 初霞(新春)
吹く前の笙あたたむる初霞  吉本伊智朗 初霞(新春)
初がすみうしろは灘の縹色  赤尾兜子 初霞(新春)
石打つて火の生まれたる初景色  廣瀬町子 初景色(新春)
一舟もなくして牟婁の初景色  岩崎照子 初景色(新春)
初景色野川一本光り出す  中村明子 初景色(新春)
着る時の羽織裏鳴る淑気かな  能村登四郎 淑気(新春)
木曾谷の素白の石の淑気かな  山上樹実雄 淑気(新春)
一湾の白浪綴る淑気かな  中村堯子 淑気(新春)
御降りや古町深く眠りたる  住斗南子 御降り(新春)
お降りといふも信濃のあらあらし  伊藤伊那男 御降り(新春)
お降りや昭和終りの杜しずか  寺井谷子 御降り(新春)
舟飾落ちてただよふ壇の浦  大島民郎 (新春)
北嵯峨の飾かけたる藪の木戸  野村泊月 (新春)
輪飾や一つ構へに子の所帯  安住敦 輪飾(新春)
大いなる門のみ残り松飾り  高浜虚子 松飾(新春)
風音を伊賀に聞きをり松飾り  鈴木鷹夫 松飾(新春)
門松の笹のふれ合ひ隣り合ひ  下田実花 門松(新春)
つぎつぎに子等家を去り鏡餅  加藤楸邨 鏡餅(新春)
鏡餅暗きところに割れて坐す  西東三鬼 鏡餅(新春)
鏡餅岩にのせあり貴船道  五十嵐播水 鏡餅(新春)
杓の水揺れるを鎮め初手水  村上冬燕 初手水(新春)
星二つ手にいただくや初手水  三好潤子 初手水(新春)
真青な竹の杓伏し初手水  梅田久代 初手水(新春)
浦和より見る富士愛し初手水  長谷川秋子 初手水(新春)
若水のけむりて見ゆる静かな  村上鬼城 若水(新春)
鹹き島にひとつの若井汲む  山田六甲 若井(新春)
若水の鉄気多きを供へけり  吉田鴻司 若水(新春)
若水や星うつるまで溢れしむ  原田種茅 若水(新春)
天窓を湯気でくもらせ福沸し  在原久美子 福沸(新春)
福鍋や田舎に住めば瓦斯恋し  高浜虚子 福鍋(新春)
鉄釜のやがて音に出て福沸し  鷹羽狩行 福沸(新春)
福鍋に耳かたむくる心かな  飯田蛇笏 福鍋(新春)
鍵善良房の菓子つき福茶かな  鷹羽狩行 福茶(新春)
金婚の夫婦茶碗に福茶注ぐ  力石郷水 福茶(新春)
大服茶やひとのなさけにながらへて  日野草城 大服(新春)
膝に日のあたる福茶をいただきぬ  西山誠 福茶(新春)
ひとりくむ屠蘇にかなしや酔ひ心地  菖蒲あや 屠蘇(新春)
祖母も母も並びて小さし屠蘇を受く  古賀まり子 屠蘇(新春)
次の子も屠蘇を綺麗に干すことよ  中村汀女 屠蘇(新春)
屠蘇うけてゐてもそゞろに旅を恋ふ  宇田零雨 屠蘇(新春)
太箸のただ太々とありぬべし  高浜虚子 太箸(新春)
太箸のまろびよりけり歯朶の上  松瀬青々 太箸(新春)
箸紙に書き終へし名の並びけり  稲畑汀子 箸紙(新春)
柳箸今年は母の亡かりけり  小沢碧童 柳箸(新春)
国生みのはじめの島の雑煮餅  川崎展宏 雑煮(新春)
患者診しあとの雑煮となりにけり  下村ひろし 雑煮(新春)
一椀の雑煮に母子うるみけり  殿村菟絲子 雑煮(新春)
喰積にさびしき夫婦箸とりぬ  松本たかし 喰積(新春)