俳句

俳句検索結果(季語付き)



水澄みて亡き諸人の小声かな  秋元不死男 水澄む(秋)
水澄むやとんぼうの影ゆくばかり  星野立子 水澄む(秋)
白魚のさかなたること略しけり  中原道夫 白魚(春)
瀧壺に瀧活けてある眺めかな  中原道夫 (夏)
未来より滝を吹き割る風来たる  夏石番矢 (夏)
神々のあくびが桜を枯らすのか  夏石番矢 (春)
家ぬちを濡羽の燕暴れけり  夏石番矢 (春)
青空を吸ひ込み蝉の穴は消ゆ  夏石番矢 (夏)
足とめて見るは梅雨のうなる川  夏石番矢 梅雨(夏)
梟よ松なき市の夕あらし  宝井其角 (冬)
形而上学二匹の蛇が錆はじむ  鳴戸奈菜 (夏)
桃の花死んでいることもう忘れ  鳴戸奈菜 桃の花(春)
牡丹見てそれからゴリラ見て帰る  鳴戸奈菜 牡丹(夏)
長閑さや山焼く煙山を這ひ  松本たかし 長閑(春)
のどかさや障子あくれば野が見ゆる  正岡子規 長閑(春)
花換や古びし花を踏んまへて  原月舟 花換(春)
されば爰に談林の木あり梅の花  西山宗因 (春)
ながむとて花にもいたし頸の骨  西山宗因 (春)
五月雨や天下一枚うち曇り  西山宗因 五月雨(夏)
阿蘭陀の文字か横たふ天つ雁  西山宗因 (秋)
猪の首の強さよ年の暮  野沢凡兆 年の暮(冬)
門前の小家もあそぶ冬至かな  野沢凡兆 冬至(冬)
初潮や鳴門の浪の飛脚舟  野沢凡兆 初潮(秋)
時雨るるや黒木積む屋の窓明り  野沢凡兆 時雨(冬)
淋しき花があれば蝶蝶は寄りて行きけり  野村朱鱗洞 (春)
風ひそひそ柿の葉落としゆく月夜  野村朱鱗洞 (秋)
青林檎置いて卓布の騎士隠る  能村研三 青林檎(夏)
ひよどりのこぼし去りぬる実のあかき  与謝蕪村 (秋)
ひよどりや霜の梢に鳴き渡り  広瀬惟然 (秋)
薄氷の吹かれて端の重なれる  深見けん二 薄氷(春)
藤垂れて立夏の急雨到りけり  臼田亞浪 立夏(夏)
滝おもて雲おし移る立夏かな  飯田蛇笏 立夏(夏)
吉原の水打つて夜となる立夏  長谷川かな女 立夏(夏)
夏立つや衣桁にかはる風の色  横井也有 立夏(夏)
はや夏に入りたる波の高さかな  久保田万太郎 夏に入る(夏)
さざなみの絹吹くごとく夏来る  山口青邨 夏来る(夏)
いつの生か鯨でありし寂しかりし  正木ゆう子 (冬)
水の地球すこしはなれて春の月  正木ゆう子 春の月(春)
まな板に小判一枚初鰹  宝井其角 初鰹(夏)
花は芳野伽藍一を木の間哉  松江重頼 (春)
順礼の棒計行夏野かな  松江重頼 夏野(夏)
ただ灼けて玄奘の道つづきけり  松崎鉄之介 灼く(夏)
暗がりに檸檬浮かぶは死後の景  三谷昭 檸檬(秋)
開放の夏期大学を覗くもの  山口誓子 夏期大学(夏)
狼をのがれて淋し山の月  島田五空 (冬)
時鳥厠半ばに出かねたり  夏目漱石 時鳥(夏)
血を吐けば現も夢も冴え返る  宮部寸七翁 冴返る(春)
髪洗ひたし洗ふほど髪もなし  三好潤子 洗い髪(夏)
雪片の負けず嫌ひが先争ふ  三好潤子 雪片(冬)
葡萄箱釘の早打ち父子して  三好潤子 葡萄(秋)
叢に山繭白し風薫る  室生犀星 風薫る(夏)
帆をかふる鯛のさはきや薫る風  宝井其角 風薫る(夏)
風薫る鹿島の杉は剣なる  川端茅舎 風薫る(夏)
風薫る羽織は襟もつくろはず  松尾芭蕉 風薫る(夏)
薫風の素足かゞやく女かな  日野草城 薫風(夏)
国なまり故郷千里の風かをる  正岡子規 風薫る(夏)
日の出前にぬれしや菖蒲花ゆたか  渡辺水巴 花菖蒲(夏)
花菖蒲津田の細江の便りかな  松岡青蘿 花菖蒲(夏)
しやうぶをも水巻となす川辺かな  野々口立圃 菖蒲(夏)
雨どどと白し菖蒲の花びらに  山口青邨 菖蒲(夏)
しだり尾の長屋長屋に菖蒲哉  服部嵐雪 菖蒲(夏)
菖蒲剪るや遠く浮きたる葉一つ  高浜虚子 菖蒲(夏)
菖蒲園かがむうしろも花昏れて  橋本多佳子 菖蒲(夏)
水急ぐ白一色の菖蒲田へ  三橋鷹女 菖蒲(夏)
万座より落せる水の白菖蒲  前田普羅 菖蒲(夏)
ひるすぎの小屋を壊せばみなすすき  安井浩司 (秋)
化物の正体見たり枯尾花  横井也有 枯尾花(冬)
ほろほろと手をこぼれたるいちごかな  正岡子規 (夏)
生るるより烏揚羽の神楽舞ひ  吉田鴻司 揚羽蝶(夏)
白鳥の胸を濡らさず争へり  吉田鴻司 白鳥(冬)
ジャケツ真赤く縄飛はまだ出来ず  富安風生 ジャケツ(冬)
跫音高し青きジャケツの看護婦は  石田波郷 ジャケツ(冬)
一盞の冷酒に命あつきかな  角川源義 冷酒(夏)
塩鳥の歯にこたへたり冷しさけ  久村暁台 冷し酒(夏)
冷し酒夕明界となりはじむ  石田波郷 冷し酒(夏)
膝形に緩む股引足入るる  山畑禄郎 股引(冬)
くちなしの淋しう咲けり水の上  松岡青蘿 梔子の花(夏)
みじか夜や蚕飼ふ家の窓明り  松岡青蘿 蚕飼(春)
蘭の香は薄雪の月の匂ひかな  松岡青蘿 (秋)
空蝉を見るにも星の別れかな  松岡青蘿 別れ星(秋)
やるかたのなきに見て泣須磨の月  松岡青蘿 (秋)
ながむれば海また海や秋の暮れ  松岡青蘿 秋の暮(秋)
幾行も雁過る夜となりにけり  松岡青蘿 (秋)
三日月に行先暮るゝ枯野哉  松岡青蘿 枯野(冬)
荒海に人魚浮けり寒の月  松岡青蘿 (冬)
雀らも海かけて飛べ吹流し  石田波郷 吹流(夏)
灯を消せば涼しき星や窓に入る  夏目漱石 星涼し(夏)
寒暁や神の一撃もて明くる  和田悟朗 寒暁(冬)
月花の三句目を今しる世哉  野々口立圃
矢車の金の暗さよ昼の酒  石川桂郎 矢車(夏)
みちのくは小家小家の鯉幟  原石鼎 鯉幟(夏)
真上なる鯉幟まづ誘ひけり  中村汀女 鯉幟(夏)
鯉幟わが声やいつわれに湧く  加藤楸邨 鯉幟(夏)
紅塵を吸うて肉とす五月鯉  竹下しづの女 五月鯉(夏)
孫六が太刀の銘きる端午かな  田川鳳朗 端午(夏)
積草の青き底まで端午の日  平畑静塔 端午(夏)
すがすがと秘色の風の端午かな  石塚友二 端午(夏)
風さけて入り日涼しき菖蒲の日  加賀千代女 菖蒲の日(夏)
うすうすと窓に日のさす五月かな  正岡子規 五月(夏)
母といふ枷なき母の日を旅に  稲畑汀子 母の日(夏)