俳句

俳句検索結果(季語付き)



青嶺眉にある日少しの書を読めり  細見綾子 青嶺(夏)
夏の山しづかに鳥の鳴く音かな  黒柳召波 夏の山(夏)
大木を見てもどりけり夏の山  高桑闌更 夏の山(夏)
里の子等庭に見てゐる麦酒酌む  富安風生 麦酒(夏)
ビール酌む男ごころを灯に曝す  三橋鷹女 ビール(夏)
敗れたりきのふ残せしビール飲む  山口青邨 ビール(夏)
生ビール呷るや舌に縮む泡  石塚友二 ビール(夏)
我宿は蚊のちいさきを馳走かな  松尾芭蕉(泊船集) (夏)
蚊を打つや枕にしたる本のかさ  宝井其角 (夏)
蚊を打つて頬やはらかく癒えしかな  石田波郷 (夏)
蚊柱見て遺言めきし語をはさむ  秋元不死男 蚊柱(夏)
蚊柱や吹きおろされてまたあがる  村上鬼城 蚊柱(夏)
ゆふべゆふべ地蔵にすだく藪蚊かな  池西言水 藪蚊(夏)
南風つよし子の病難に飯を嚙む  飯田蛇笏 南風(夏)
両肩に海南風の翼負ふ  山口誓子 海南風(夏)
耳もとに波のわきたつ南風かな  久保田万太郎 南風(夏)
恋過ぎて南風に浜雀乗る  秋元不死男 南風(夏)
いや白きは南風つよき帆ならぬ  大野林火 南風(夏)
南風の艇庫の裏にシャワー覗く  石川桂郎 南風(夏)
南風や故郷を恋へるギリシヤ船  野見山朱鳥 南風(夏)
南風が繰りたがる我が懺悔録  楠本憲吉 南風(夏)
遺書封ず南風の雲のしかかり  加藤楸邨 南風(夏)
風の香も南に近し最上川  松尾芭蕉 南風(夏)
蝉聞きて夫婦いさかひ恥づるかな  井原西鶴 (夏)
鳴きやめて飛ぶ時蝉の見ゆるなり  正岡子規 (夏)
死後涼し光も射さず蝉も鳴かず  野見山朱鳥 (夏)
悉く遠し一油蝉鳴き止めば  石田波郷 油蝉(夏)
初蝉や人松陰をしたふ比  小林一茶 初蝉(夏)
黴の中言葉となればもう古し  加藤楸邨 (夏)
鯉飛びてあだに蓮ちる夕かな  勝見二柳 (夏)
うす縁や蓮に吹かれて夕茶漬  小林一茶 (夏)
蓮散華美しきものまた壊る  橋本多佳子 (夏)
花はちす遠見に女みごもれる  石原八束 はちす(夏)
大紅蓮大白蓮の夜明かな  高浜虚子 白蓮(夏)
白はちす夕べは鷺となりぬべし  三好達治 はちす(夏)
蓮の花咲くや淋しき停車場  正岡子規 (夏)
学僧のふどしが干され秋麗  石川桂郎 秋麗(秋)
かぶと虫も来てとまれかし鎧草  椎本才麿 甲虫(夏)
ゆふだちや門脇どのゝ人だまり  与謝蕪村 夕立(夏)
夕立に幾人乳母の雨やどり  森川許六 夕立(夏)
夕立や簾つらねて灯の館  原石鼎 夕立(夏)
桑海や大夕立あとなほけぶる  高浜年尾 夕立(夏)
鏡中に西日射し入る夕立あと  山口誓子 夕立(夏)
涼しさよ白雨ながら入日影  向井去来 白雨(夏)
驟雨過の松の点滴浴びゆくや  石田波郷 驟雨(夏)
うらをみせおもてを見せてちるもみじ  良寛 紅葉(秋)
散る桜残る桜も散る桜  良寛 散る桜(春)
家毎に凌霄咲ける温泉かな  正岡子規 凌霄花(夏)
炎昼に製氷の角をどり出る  秋元不死男 炎昼(夏)
炎昼の女体のふかさはかられず  加藤楸邨 炎昼(夏)
みじろぎもせず炎昼の深ねむり  野見山朱鳥 炎昼(夏)
炊煙がかしこき松に夏まひる  山口誓子 夏の昼(夏)
南風つのり湖東の城の鳴りわたる  山口誓子 南風(夏)
両国の花火聞ゆる月夜かな  正岡子規 花火(夏)
遠き闇終の花火と知らで待つ  野澤節子 花火(夏)
花火の夜父逝きし日と縁に居る  福田蓼汀 花火(夏)
雨又も降りきし花火つゞけ打つ  星野立子 花火(夏)
花火屑おしろい花に掃き寄せて  細見綾子 花火(夏)
半生のわがこと了へぬ遠花火  三橋鷹女 遠花火(夏)
仕掛花火のけぶり流るゝ街の空  富田木歩 花火(夏)
揚花火二階灯してすぐ消して  長谷川かな女 揚花火(秋)
昼花火天の裂目にひびきわたる  山口誓子 昼花火(夏)
立秋や白髪もはえぬ身の古び  小西来山 立秋(秋)
立秋や時なし大根また播かん  高浜虚子 立秋(秋)
みんみん蝉立秋吟じいでにけり  水原秋桜子 立秋(秋)
立秋の雨はや一過朝鏡  中村汀女 立秋(秋)
秋来ぬと目にさや豆のふとりかな  大伴大江丸 秋来る(秋)
はりぬきの猫もしる也今朝の秋  松尾芭蕉 今朝の秋(秋)
残暑をも推しだす風のちから哉  松永貞徳 残暑(秋)
残暑とはかかる日のこと庭を掃く  星野立子 残暑(秋)
朝夕がどかとよろしき残暑かな  阿波野青畝 残暑(秋)
秋暑し癒えなんとして胃の病  夏目漱石 秋暑し(秋)
秋暑く水中の腹脂ぎり  加藤楸邨 秋暑し(秋)
草の戸の残暑といふもきのふけふ  高浜虚子 残暑(秋)
蜩のおどろき啼くや朝ぼらけ  与謝蕪村 (秋)
蜩や蝉を洩来る秋の声  大島蓼太 (秋)
温泉の宿や蜩鳴きて飯となる  高浜虚子 (秋)
かなかなの鈴ふる雨となりにけり  久保田万太郎 かなかな(秋)
かなかなや永睡りせし巌の上  石田波郷 かなかな(秋)
こけざまにほうと抱ゆる西瓜かな  向井去来 西瓜(秋)
西瓜赤き三角童女の胸隠る  野澤節子 西瓜(秋)
どこにこのしぶとき重さ西瓜抱く  山口誓子 西瓜(秋)
六十年踊る夜もなく過しけり  小林一茶 (秋)
日を帯びて芙蓉かたぶく恨みかな  与謝蕪村 芙蓉(秋)
月の出を芙蓉の花に知る夜かな  内藤鳴雪 芙蓉(秋)
道のべの木槿は馬に食はれけり  松尾芭蕉 木槿(秋)
名月にけろりと立しかゞし哉  小林一茶 案山子(秋)
案山子にも女心や夜の道  内藤鳴雪 案山子(秋)
夕空のなごみわたれる案山子かな  富安風生 案山子(秋)
捨案山子海の紺青光りなし  金尾梅の門 捨案山子(秋)
露に目ひらく積捨案山子の怒り眉  加藤楸邨 捨案山子(秋)
ふところに入日のひゆる花野かな  金尾梅の門 花野(秋)
平凡の長寿願はず蝮酒  杉田久女 蝮酒(夏)
鼈甲の色滴らしまむし酒  石塚友二 蝮酒(夏)
糸瓜咲て痰のつまりし仏かな  正岡子規(新聞日本) 糸瓜の花(夏)
痰一斗糸瓜の水も間にあはず  正岡子規(新聞日本) 糸瓜(秋)
菊咲けり陶淵明の菊咲けり  山口青邨 (秋)
御空より発止と鵙や菊日和  川端茅舎 菊日和(秋)
白菊やうすべにさして狂ひ咲き  村上鬼城 白菊(秋)
菊咲くや二夜泊りし下々の客  小林一茶 (秋)