俳句

俳句検索結果(季語付き)



花著莪にたばしる雨や子を病ます  皆川白陀 花著莪(夏)
石菖や疲れし足をさます水  高田蝶衣 石菖(夏)
舗装路に黒穂東京都に入れり  中島まさを 黒穂(夏)
麦扱や片扉を立てゝ長屋門  市川天神居 麦扱(夏)
麦打の遠くの音のねむたけれ  松本たかし 麦打(夏)
川面のくれぐれや白き麦埃  大須賀乙字 麦埃(夏)
麻の葉に女かくるゝ療養地  星野石雀 (夏)
人顔の麻の花なり咲いた咲いた  金子兜太 麻の花(夏)
栃咲くやまなこ涜れてゆくばかり  上田五千石 栃の花(夏)
葉裏葉影ざわめく風や橡の花  渡辺水巴 橡の花(夏)
夜は星の宿る高さに橡の花  鷹羽狩行 橡の花(夏)
麻刈つて渺たる月の渡しかな  飯田蛇笏 麻刈(夏)
夏大根荷縄で搦げ負はせけり  皆川白陀 夏大根(夏)
妻の座得む玉葱断ちて烈しき香  牛嶋美佐子 玉葱(夏)
豇豆干す軒に疫除け火除け守札  池月一陽子 豇豆(夏)
妻も濡る青き蕃茄の俄雨  山口誓子 蕃茄(夏)
きのふけふもがねばトマト紅に  矢吹蕗の薹 トマト(夏)
胡瓜畑べつとり濡れし日をまねく  依田由基人 胡瓜(夏)
署名訪問瓜もみの餉の只中へ  中島まさを 瓜揉(夏)
夕凪や母とありにし真桑瓜  森澄雄 真桑瓜(夏)
行者宿泉に廻り甜瓜  森澄雄 甜瓜(夏)
狂言の手つきでぬすむ真桑哉  正岡子規 真桑瓜(夏)
荒海をまへに木挽や初真瓜  飴山實 真瓜(夏)
瓜漬や小倉名代の塩加げん  大友月人 瓜漬(夏)
猫被る女うつくしメロン切る  藤田源五郎 メロン(夏)
きりん草枯れゆけり括られもせず  岡本眸 麒麟草(夏)
鉄路にも川にも沿へる麒麟草  山口誓子 麒麟草(夏)
手をあげて足をはこべば阿波踊  岸風三樓 阿波踊(秋)
厨たのし泣くキヤベツ押しつけて刻む  田川飛旅子 キャベツ(夏)
七日喪の霜の甘藍呟きぬ  岸田稚魚 甘藍(夏)
玉菜は巨花と開きて妻は二十八  中村草田男 玉菜(夏)
日は宙にしづかなものに茗荷の子  大野林火 茗荷の子(夏)
濡巌のしのゝめあかり蛇苺  松村蒼石 蛇苺(夏)
木苺や街掌上にのせ得べし  横山白虹 木苺(夏)
庭先の青鬼灯に募る雨  平生堅生 青鬼灯(夏)
畑草や青酸漿もみのり時  飯田蛇笏 青酸漿(夏)
青山椒階段ふんで妻もたらす  沢木欣一 青山椒(夏)
煮る前の青たうがらし手に久し  日野草城 青唐辛子(夏)
天上をさして揃ひぬ箒草  阿部みどり女 箒草(夏)
箒木や寄る人を嗅ぐ繋ぎ馬  高田蝶衣 箒木(夏)
夏薊礎石渦巻くおそろしき  川端茅舎 夏薊(夏)
浜昼顔咲くあちら向きこちら向き  清崎敏郎 浜昼顔(夏)
雨やめば浜ひるがほを見に行かん  高野素十 浜昼顔(夏)
路地に生れ路地に育ちし祭髪  菖蒲あや (夏)
野菊摘み来世は父母に甘えたき  菖蒲あや 野菊(秋)
焼酎のただただ憎し父酔へば  菖蒲あや 焼酎(夏)
除虫菊山寺の庭に干されけり  伊東牛歩 除虫菊(夏)
竹煮草雨荒ければ汽車喘ぐ  角川源義 竹煮草(夏)
裸子に甚平著せよ紅藍の花  高浜虚子 紅藍花(夏)
寂しがる庵主とありぬ唐菖蒲  杉田久女 唐菖蒲(夏)
蔦青したれもたれもが勤めに出る  三橋鷹女 蔦青し(夏)
しんしんと夜の光の草茂る  川端茅舎 草茂る(夏)
蓮の花耳目しづかに眺めけり  徳永山冬子 蓮の花(夏)
蓮の葉や雷雨の中に飜り  浅井啼魚 蓮の葉(夏)
福山や城のまはりは藺を刈れる  三島淡水子 藺刈(夏)
荒瀬鳴りはなれぬ道よ青芒  室積徂春 青芒(夏)
南瓜咲き室戸の雨は湯のごとし  大峯あきら 南瓜の花(夏)
貧乏な日本が佳し花南瓜  池田澄子 花南瓜(夏)
舟小屋のうしろ日蔭の花南瓜  上村占魚 花南瓜(夏)
忘られしもの昼の月蘆青し  大野林火 青蘆(夏)
結びある真菰のありて舟路かな  加藤霞村 真菰(夏)
小説はかなしきものよ絹糸草  星野立子 絹糸草(夏)
鴨足草終りの花もなつかしく  京極杞陽 鴨足草(夏)
軒風呂も寒からず雪の下咲いて  富田木歩 雪の下(夏)
虎耳草うゑる穴あり聖石  村上鬼城 虎耳草(夏)
黄昏の梅雨茸の怪に憑かれけり  岡安迷子 梅雨茸(夏)
木耳の月日よ基地の柵たるむ  小林康治 木耳(夏)
鷺脚を垂れて水草の花に飛ぶ  田北衣沙桜 水草の花(夏)
藻の花に鷺佇んで昼永し  正岡子規 藻の花(夏)
靄の中朝藻刈る舟見え初めぬ  水原秋桜子 藻刈(夏)
藻刈舟しづかに向きを変へにけり  三谷いちろ 藻刈舟(夏)
容れられぬ心萍の花白し  田鎖杢人 萍の花(夏)
蓴とる舟いと小さき堀江かな  会津八一 (夏)
かりこりとかりこりと掻く海蘿かな  志水桃園 海蘿(夏)
句にならぬ淋しき磯の干し荒布  大森碧水 荒布(夏)
岩窪に深き海ある黒菜かな  山口誓子 黒菜(夏)
黴の香の中やこけしの白き肌  青木よしを 黴の香(夏)
秋めくや素肌の単衣朝薄し  石塚友二 秋めく(秋)
九月尽はるかに能登の岬かな  久村暁台 九月尽(秋)
菊月の俗用多きうらみかな  折井愚哉 菊月(秋)
八朔やふちの欠けたる飯茶椀  三宅応人 八朔(秋)
吹きそめぬ二百二十日の風として  畑田与士三 二百二十日(秋)
菊の日や旧都に老いし女官達  伊藤観魚 菊の日(秋)
松杉の梢に澄めり瀬戸の海  秋山禾門 澄む(秋)
痩馬のあはれ機嫌や秋高し  村上鬼城 秋高し(秋)
暮るゝ海みな見てをりぬ秋土用  星野麥丘人 秋土用(秋)
これよりの百日草の花一つ  松本たかし 百日草(夏)
蝶歩く百日草の花の上  高野素十 百日草(夏)
爽籟に寂光雲を流れたり  大竹孤悠 爽籟(秋)
秋暁の枝の影さしくる蚊帳に  松村巨湫 秋暁(秋)
飯の香の睫毛に触るゝ秋の朝  青山光歩 秋の朝(秋)
二月堂に草ひばり聞く秋の昼  町田しげき 秋の昼(秋)
隣り間にいとどを捨つる夜半の秋  室生犀星 夜半の秋(秋)
うそ寒やひともすまでの部屋の闇  鈴木真砂女 うそ寒(秋)
そぞろ寒兄妹の床敷きならべ  安住敦 そぞろ寒(秋)
肌寒の日記や恋を知りゐし子よ  国政十方城 肌寒(秋)
ひよ啼くと櫛置いてきく朝のひえ  内野秋子 朝冷え(秋)
仲秋を花園のものみな高し  山口青邨 仲秋(秋)
夢殿の甍に秋も寂びにけり  町田しげき 秋寂び(秋)
女房をたよりに老ゆや暮の秋  村上鬼城 暮の秋(秋)