俳句検索結果

吹ばふけ櫛を買たに秋の風　　上島鬼貫　季
大いなる里の団子や秋まつり　　上村占魚　季
秋の蚊を手もて払へばなかりけり　　高浜虚子　季
白熊が食パンを喰ふ食事時　　瀧井孝作　季
穴に入る熊になりたく思ひをり　　高木晴子　季
熊の前大きな父でありたしよ　　横溝養三　季
空一杯鰯雲なり夢の中　　阿部みどり女　季
耳鳴りは宇宙の音か月冴ゆる　　林翔　季
おもひでは波音がたかくまたひくく　　種田山頭火　季
初鮭の荷や銀さびの夜明け頃　　溝口素丸　季
われの星燃えてをるなり星月夜　　高浜虚子　季
船欄に夜露べつとり逃ぐる旅　　西東三鬼　季
汽車音の若葉に籠る夕べかな　　富田木歩（小さな旅）　季
墓地越しに町の灯見ゆる遠蛙　　富田木歩　季
帰るべき細道見えて夕櫻　　中村汀女　季
狼も朱鷺も絶えたる国に生く　　伊藤白潮　季
横浜にすみなれ夜ごとの夜霧かな　　中村汀女　季
人間になりそこねたる比目魚かな　　佐藤鬼房　季
夕映に男に還る鮃かな　　岡井省二　季
枯蘆の日に日に折れて流れけり　　高桑闌更　季
人こひし灯ともしごろをさくら散る　　加舎白雄　季
巌の上に突き得し雲丹を十ばかり　　上村占魚　季
ぬくめしに雲丹をぬり向きあつてゐる　　種田山頭火　季
安宿に棘うごく海胆すすりけり　　飯島晴子　季
昼寝よりさめて寝ている者を見る　　鈴木六林男　季
いつ死ぬか―樹海の月に渇きゐる　　鈴木六林男　季
溺愛のわが手にかけし胡桃割　　岡本眸　季
敗戦といふ文字は古り鰻食ふ　　阿波野青畝　季
浅草の鰻をたべて暑かりし　　臼田亞浪　季
うたかたが粘る鰻の暑さかな　　阿波野青畝　季
遣り過す土用鰻といふものも　　石塚友二　季
落鰻落ちゆく蘆の無尽蔵　　石田勝彦　季
虫絶えて簗に雨ふる落鰻　　水原秋桜子　季
一と夜さに落ちし鰻と思はれず　　梶原転石　季
籠のぞく夕日明りに落鰻　　秋元不死男　季
運動会静かな廊下歩きをり　　岡田由季　季
秋晴の運動会をしてゐるよ　　富安風生　季
今日のをはりのうつくしや落日　　種田山頭火　季
息絶えてまた生きかへる秋の暮　　石原八束　季
炎天や死ねば離るゝ影法師　　西島麦南　季
二人よつて狐がばかす話をしてる　　尾崎放哉　季
代官に妖て瓜喰ふ狐かな　　高井几董　季
化に出た狐を化すしぐれかな　　小西来山　季
狐とはおもはじ君を花すゝき　　各務支考　季
枯れはてて遊ぶ狐をかくすなき　　橋本多佳子　季
藷畑にただ秋風と潮騒と　　山本健吉　季
通りぬけ通りぬけても紅葉哉　　正岡子規　季
翔ぶものへ鮭のはららご炎えてゐる　　栗林千津　季
いつ孵る薄明り黄のはららごよ　　佐藤鬼房　季
産み捨てのはららごは散り四海波　　三橋敏雄　季
落花生喰ひつゝ読むや罪と罰　　高浜虚子　季
潤目鰯の硬さご飯のあたたかさ　　高沢良一　季
火の色の透りそめたる潤目鰯かな　　日野草城　季
うるめ焼く人にたのしく皿はあり　　永田耕衣　季
名月や鰯もうかぶ海の上　　正岡子規　季
歩板にも鰯のあぶら滲みつきて　　後藤比奈夫　季
かつしかやなむ廿日月艸の花　　小林一茶　季
月に刃物動かし烏賊を洗ふ湖　　中村汀女　季
降る雪に胸飾られて捕へらる　　秋元不死男（瘤）　季
捕へられ傘もささずよ眼に入る雪　　秋元不死男（瘤）　季
まつくらな海へ見にゆく螢烏賊　　深見けん二　季
川水を恋ふとはあはれ螢烏賊　　高野素十　季
花烏賊の甲羅を舟のごと浮かし　　長谷川かな女　季
花烏賊の腸ぬくためや女の手　　原石鼎　季
桜烏賊つぶてのごとくつれにけり　　原石鼎　季
洗ひたる花烏賊墨をすこし吐き　　高浜虚子　季
花烏賊のいでゐる息の墨の泡　　阿波野青畝　季
花烏賊のしわしわ釣るゝ真闇かな　　水原秋桜子　季
さびしさが焼きころがして螢烏賊　　能村登四郎　季
本はあとがきソフトクリームは頭から　　石寒太　季
老あはれ時代祭の法螺ふいて　　岸風三樓　季
はつ霜や野わたしに乗馬の息　　高井几董　季
酒赤し、甘藷畑、草紅葉　　芥川龍之介　季
朝顔や潮がしら跳ぶ車海老　　水原秋桜子　季
桜えびすしに散らして今日ありぬ　　細見綾子　季
さくらえびびよりとおもふ沖の明日　　上田五千石　季
秋刀魚焼き宝くじ焼く青焔　　右城暮石　季
芭蕉忌や吾に派もなく伝もなし　　正岡子規　季
伊勢海老の月にふる髭煮らるると　　加藤楸邨　季
霧いかに深くとも嵐強くとも　　高浜虚子　季
夜明けの戸茜飛びつく塩の山　　沢木欣一　季
ハンカチは美しからずいい女　　京極杞陽　季
裸子も古めかしくてこの辺り　　京極杞陽　季
すゝき穂に昏れゆく雨の光りけり　　長谷川双魚　季
救急車さざんか散りますよ散りますよ　　池田澄子　季
蝦蛄といふ禍々しくて旨きもの　　長谷川櫂　季
てのひらに蝦蛄をつつんで伊賀の月　　岡井省二　季
釜茹での蝦蛄に夕映始まれり　　高沢良一　季
透きし身を重ねて暗し蝦蛄の桶　　きくちつねこ　季
この門をくゞりし記憶春の雨　　星野立子　季
活ホタテ開きほっけに地酒酌む　　高沢良一　季
帆立貝すなどる舟の帆を立てて　　山口青邨　季
風の聲碧天に舞ふ木の葉かな　　臼田亞浪　季
暮れてゆく五月の海の音も無し　　臼田亞浪　季
幸かひとり鳥貝の寿司食ふは　　小池一覚　季
鳥貝や風音遠き日暮来る　　角川春樹　季
蝸牛酒の肴に這はせけり　　宝井其角　季
元旦やはれて雀のものがたり　　服部嵐雪　季
かりそめに京にある日や虎が雨　　村上鬼城　季
末世とてかたづけがたし虎が雨　　小林一茶　季