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小林康治 ●

春蚊鳴く耳のうしろの暗きより 季
花杏遠きまなこをもちつづけ 季
麦湯煮て母訪はぬ悔かさねをり 季
ぬきんでて虚空さみしき今年竹 季
秋扇しばらく使ひたたみけり 季
煮凝や世に外れたる膝頭 季
麨や手枷足枷子が育つ 季
太宰忌や青梅の下暗ければ 季
木耳の月日よ基地の柵たるむ 季
ひとり寝る鬼城忌の灯を細めては 季
治聾酒の淋しき齢となりにけり 季