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小林康治 

春蚊鳴く耳のうしろの暗きより 
花杏遠きまなこをもちつづけ 
麦湯煮て母訪はぬ悔かさねをり 
ぬきんでて虚空さみしき今年竹 
秋扇しばらく使ひたたみけり 
煮凝や世に外れたる膝頭 
麨や手枷足枷子が育つ 
太宰忌や青梅の下暗ければ 
木耳の月日よ基地の柵たるむ 
ひとり寝る鬼城忌の灯を細めては 
治聾酒の淋しき齢となりにけり