芝不器男 ●
風鈴の空は荒星ばかりかな 季向日葵の蘂を見るとき海消えし 季あなたなる夜雨の葛のあなたかな 季 (ホトトギス)●みじろぎにきしむ木椅子や秋日和 季新藁や永劫太き納屋の梁 季谷水を撒きてしづむるどんどかな 季ぬばたまの閨かいまみぬ嫁が君 季寒鴉己が影の上におりたちぬ 季うちまもる母のまろ寝や法師蝉 季わかものゝ妻問ひ更けぬ露の村 季ストーブや黒奴給仕の錢ボタン 季一片のパセリ掃かるる暖炉かな 季●北風やあおぞらながら暮れはてて 季前山の吹きよどみゐる霞かな 季大舷の窓被ふある暖炉かな 季苔の雨かへるでの花いづこゆか 季永き日のにはとり柵を越えにけり 季花うばらふたたび堰にめぐり合ふ 季秋ゆくと照りこぞりけり裏の山 季窓の外にゐる山彦や夜学校 季旭にあうてみだれ衣や寒ざらへ 季梟の目じろぎ出でぬ年木樵 季
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