岐阜県の季語と俳句

岐阜県内 俳句の舞台となった旅館

千歳楼(せんざいろう)

養老公園にある1764年創業の千歳楼は、文化人ゆかりの宿。「むすふより早歯にひゝく泉か南」の芭蕉句碑があり、1843年に宿泊した天保の四老人の一人鶴田卓池は、「どれが露どれが走りぞ滝の水」と詠んでいる。また、館内には山岡鉄舟らの書が掲げられているが、そのうちのひとつ栖鳳閣の看板は、地元の俳人塩谷鵜平の揮毫である。

岐阜県の御当地季語

高山祭(春の季語)
4月14日から15日に行われる、高山市の日枝神社の例祭。日本三大曳山祭のひとつ。

岐阜蝶(春の季語)
アゲハチョウ科ギフチョウ属に分類される蝶。1883年4月24日に、現在の下呂市で採集された個体が新種と確認されたことから名前がついた。

岐阜提灯(夏の季語)
岐阜市特産の提灯で、伝統的工芸品。

鈴懸草(夏の季語)
ゴマノハグサ科の多年草。夏に紫色の筒状花を咲かす。自生状態のものは、岐阜県南部にのみ残されている。

御蓼(夏の季語)
本州以北の高山の砂礫地などに生えるタデ科の多年草。御嶽山で最初に発見されたことから「御蓼」と名付けられた。

岐阜県を詠んだ俳句

面白うてやがて悲しき鵜舟かな 松尾芭蕉
貞享5年(1688年)岐阜滞在中に詠まれた、長良川の鵜飼を題材にした句。謡曲「鵜飼」をふまえている。

乗鞍のかなた春星かぎりなし 前田普羅
「飛騨紬」(1947年)所収。山岳俳句の第一人者の代表句ともいえる俳句。

ご当地季語と御当地俳句