福井県の季語と俳句

福井県の御当地季語

お水送り(春の季語)
小浜市の神宮寺で3月2日に行われる「お水送り」は、「お香水」を奈良の東大寺の二月堂「若狭井」に届けるためのもの。お香水が届いた二月堂では、3月12日に「お水取り」が行われる。

花換祭(春の季語)
敦賀市金ヶ崎町で4月に行われる花見。「男女が花を交換すると幸せになる」という言い伝えがイベント化したもの。

はす(夏の季語)
コイ科の淡水魚。はす川に生息していたことから名がついた。

越前水母(夏の季語)
大型のクラゲ。1921年に福井県水産試験場から農商務省に送られて同定されたことから、名前がついた。

気比祭(秋の季語)
9月2日から10日まで行われる気比神宮の秋季例大祭で、敦賀祭ともいう。

越前蟹(冬の季語)
福井県で水揚げされるオスのずわい蟹のこと。

福井県を詠んだ俳句

月清し遊行のもてる砂の上 松尾芭蕉
「奥の細道」の「敦賀」の項にある。気比神宮に夜参して詠まれた。遊行とは、遊行派の始祖である他阿のこと。他阿は、毒竜が棲むと言われた付近の沼を砂で埋めた。

名月や北国日和定なき 松尾芭蕉
「奥の細道」の「敦賀」の項に「月清し~」に続いて載る旧暦8月15日の句。前夜は晴れていたが、宿の主に「越路の天気は予測しにくい」と言われ、十五夜は雨となった。

波の間や小貝にまじる萩の塵 松尾芭蕉
「奥の細道」の「種の浜」の項に載る。敦賀市色浜の本隆寺で、「寂しさや須磨にかちたる濱の秋」の句とともに詠まれた。

ご当地季語と御当地俳句