俳句

三重県の俳句旅

1月の俳句旅|伊勢神宮から始まる一年

国家の総鎮守にして、最も格式の高い神社である伊勢神宮の正式名称は「神宮」。伊勢神宮に初詣することは、「初伊勢」といって新春の季語である。

元日や神代のことも思はるる 荒木田守武

三重県の俳句旅この句は、俳諧の祖のひとりに挙げられる室町時代の連歌師・荒木田守武の句である。守武は、伊勢神宮の神官でもあった。

伊勢神宮には、天照大御神を祀る皇大神宮(内宮)と豊受大御神を祀る豊受大神宮(外宮)の2つの正宮があり、別宮・摂末社などを含めた125社を総称して「神宮」と呼ぶ。天照大御神は皇室の氏神であり、ひいては国民の氏神でもあるため、初詣には約60万人の参拝客が全国から訪れる。
なお、正式には外宮から内宮へとお参りし、別宮を巡っていく。広大な神域を持つために、1日ですべてをまわり切ることはできない。神の声を聞きながら、ゆっくりと神聖な森の中をさすらっていたい。
内宮の門前の「おかげ横丁」には、江戸時代の雰囲気を持つ飲食店や土産物屋も立ち並び、伊勢詣に花を添えてくれる。

【伊勢神宮】
内宮は、第11代垂仁天皇の御代に、倭姫命が三種の神器のひとつ八咫鏡(天照大御神の御魂)を祀ったのにはじまる。外宮は、第21代雄略天皇の御代に天照大御神からの神託で、豊受大神が丹波国から遷座したと伝わる。20年に一回の造替である式年遷宮は、第41代持統天皇の御代(690年)に始まり、第62回式年遷宮は2013年に行われた。

【おかげ横丁】
内宮前の「おかげ横丁」は、伊勢おはらい町通りに続く観光ストリート。赤福の子会社が1993年に完成させ、約50店が立ち並ぶ。江戸時代の街並みの中で土産を買ったり、赤福や伊勢うどんを食べたりできる。

志摩の名旅館「志摩観光ホテル・ザ・クラシック」

【志摩観光ホテル・ザ・クラシック】
2016年の「G7伊勢志摩サミット」の会場となったホテルが「志摩観光ホテル」。村野藤吾氏が設計した「ザ・クラシック」は、美しい海を臨む丘の上に建ち、昭和26年に宿泊された昭和天皇は「色づきしさるとりいばらそよごの実 目に美しきこの賢島」と歌われている。伊勢志摩サミットも取り仕切った女性総料理長が提供する、伊勢海老料理も注目。

この日本酒で俳句 伊勢神宮編

三重県の俳句旅【白鷹|伊勢神宮御料酒】
三重県には美味い日本酒が多く、酒米の王様ともいえる「山田錦」は、三重県の「山田穂」を兵庫県で改良したものである。そして、伊勢神宮の御神酒に使われる清酒は、兵庫県は灘の酒「白鷹」なのだ。外宮の御饌殿では、この白鷹神宮御料酒が、毎日欠かすことなく供されているのである。