3月の俳句旅|浅間大社の桜
駿河国一宮の富士山本宮浅間大社は富士山を祀る神社。御祭神は、天孫と結ばれた美しい女神・木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)である。
二歩ふめば二歩近づきぬ春の富士 富安風生
富士山本宮浅間大社の本宮は静岡県富士宮市にあり、澄み切った富士山の湧水に清められている。富士山はこの神社の御神体であり、8合目以上を社地として有している大きな神社だ。御成敗式目を制定したことで知られる鎌倉幕府第3代執権の北条泰時は、富士宮に奉るとして「ちはやぶる神世のつきのさえぬれば みたらし川もにごらざりけり」と歌っている。
ところで、御祭神の木花之佐久夜毘売は桜の女神ともされる。そのため、3月下旬から4月上旬にかけて、境内は桜の花でいっそう美しくなる。特に重要文化財に指定されている御本殿は、独特の荘厳さを持つ浅間造で、桜が裾を彩る頃には神秘さを増す。
【富士山本宮浅間大社】
全国に1300社あまりある浅間神社の総本社で、木花之佐久夜毘売命を主祭神とし、夫神である天孫・瓊々杵尊(ににぎのみこと)と、父神である大山祇神(おおやまづみのかみ)を相殿に祀る。第11代垂仁天皇3年(紀元前27年)に、富士山を鎮めるために祀られたのが起源である。
この日本酒で俳句 浅間大社編
【高砂|山廃純米辛口】
浅間大社のすぐ近くに蔵を構える富士高砂酒造。超軟水で知られる富士山の伏流水を利用して醸し出される日本酒は、口当たり優しくまろやかな旨みを持つ。中でもこの「山廃純米辛口」は風味豊かな酒質に仕上がり、インターナショナル・ワイン・チャレンジで金賞を受賞するなど、蔵を代表する日本酒となっている。