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加藤三七子 

吹きよどむ風もをさまり彼岸過ぐ 
一人静むらがりてなほ淋しけれ 
くるくると粽を解くは結ふに似て 
籐椅子の家族のごとく古びけり 
一本の竹さわがせて伐りにけり 
いくたびも月にのけぞる踊かな 
狐火や鯖街道は京を指す 
ふたたびの恋燃ゆるなり木の葉髪 
ラガーらのもつれてゐしがほどけゆく 
まなぶたは今万華鏡日向ぼこ 
日を洩らす吉野の雲や鍬始 
抱擁を解くが如くに冬の涛 
幽かなる穂花は二人静なる 
時化波の運河に魂を送りけり