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佐藤鬼房 

影ゆれて花いちもんめ草の餅 
生まぐさき羅漢に出会ふ溽暑かな 
むきだしの岩になりたや雷雨浴び 
絵日記に幼な手の藍原爆忌 
秋暑しわれを死なしむ夢いくたび 
星飛べり空に淵瀬のあるごとく 
齢来て娶るや寒き夜の崖 
大寒の餓鬼のやうなる細喉 
風光る海峡のわが若き鳶 
毛皮はぐ日中桜満開に 
陰に生る麦尊けれ青山河 
秋鯖の大の一尾を値切りゐる 
人間になりそこねたる比目魚かな 
いつ孵る薄明り黄のはららごよ 
一番草岩の貌して田をあがる 
奢りながき夕焼透いて不作の田