遠藤若狭男
春の灯をともしゆゑなき愁ひかな 季春愁や結婚披露宴豪華 季登山馬よろけついでに歩き出す 季美しき世を待つごとく繭ごもる 季傘立にのこる一本桜桃忌 季衣被つるりと秋田美人かな 季海原に父のまぼろし終戦日 季わが影に母入れてゆく墓参り 季ひぐらしや重たくなりし旅鞄 季死神もうつらうつらと日向ぼこ 季聖夜劇終へし天使が母探す 季書初の墨痕あざやかなりし反古 季
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