俳句

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辻田克巳

バレンタインデー片割れの貝ばかり 
緑蔭に読みくたびれし指栞 
妻呼ぶに今も愛称茄子の花 
色鳥やLESSON7詩の章 
病室の窓黄落の百号よ 
北風に押しまくられてこれでも父 
涸池の光りてそこに水のこる 
毛布にてわが子二頭を捕鯨せり 
焼藷の肌あたたかし老母ほど 
いつの世の誰のオルガン冬座敷 
日本の家が寒くてごまめ曲る