内藤鳴雪 ●
朝立や馬のかしらの天の川 季元日や一系の天子不二の山 季四十五歳の夢をさまして初日の出 季只たのむ湯婆一つの寒さかな 季俎板に薺のあとの匂ひかな 季初冬の竹緑なり詩仙堂 季花桐や二条わたりの夕月夜 季月の出を芙蓉の花に知る夜かな 季案山子にも女心や夜の道 季道の辺や露深草の捨車 季したたかに雨だれ落つる芭蕉かな 季此団居凡兆の居ぬ寒さかな 季病む身には昼もかゞまる蒲団かな 季故郷に嬉しきものの初音かな 季雀子や走りなれたる鬼瓦 季銀杏の花や鎌倉右大臣 季写経する傍に湧く柚味噌哉 季炭焼の顔洗ひゐる流れかな 季袴着や銀杏吹き散る男坂 季曇る日や深く沈みし種俵 季
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