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有馬朗人 ●

たんぽぽや西の遥かにポルトガル 季 (苑)
殷亡ぶ日の如く天霾れり 季
こめかみに人形町の薄暑かな 季
教会の大いなる鍵月涼し 季
長崎も丸山にゐて豆御飯 季
風神の絵襖開く夏座敷 季
夜店の灯古きパリーの地図を買ふ 季
滝なすや四万六千日の雨 季
街あれば高き塔あり鳥渡る 季
冬眠の蛇に滅びし社あり 季
あらたまの猪に目を入れ飴細工 季
初夏に開く郵便切手ほどの窓 季
草餅を焼く天平の色に焼く 季
露を置く野のキリストの足の釘 季
日向ぼこ大王よそこどきたまへ 季