岸風三樓 ●
茶道具の一荷も時代祭かな 季敗荷にひつかかりたる落暉かな 季桔梗や水のごとくに雲流れ 季うつくしき炭火蕪村の忌たりけり 季鳰の浮くべき方を心待ち 季いてふ散るすでに高きは散りつくし 季手をあげて足を運べば阿波踊 季老あはれ時代祭の法螺ふいて 季竹伐やいかづち雲の嶺に生る 季きりん草咲けども焦土かくし得ず 季手をあげて足をはこべば阿波踊 季池に降る雨こでまりを濡らす雨 季豊年の雀青空より降りぬ 季あらぬへに月の出てゐし牛祭 季きんぽうげ咲きぬ少年川を堰き 季懸巣鳥なき比叡に天台秘法あり 季椋鳥のこぼして椋の実なりける 季吏なべて貧しくさくら枯れにけり 季追羽子や川をへだてて嵐山 季孕み鹿より来ることの愛しさよ 季
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