季語|槐の花(えんじゅのはな)

晩夏の季語 槐の花

花槐(はなえんじゅ)

槐の花の俳句と季語マメ科エンジュ属エンジュは、中国原産の落葉高木。日本へは、仏教の伝来とともに渡来したとの見方がある。街路樹として植えられ、東京ではプラタナス・イチョウに次いで多い。7月から8月頃に小さな花がたくさん咲く。
花は「槐花(かいか)」という止血効果のある生薬になる。

中国では朝廷の庭に植えられて宮廷高官である三公の座位を示したことから「出世の木」とされ、日本でも縁起の良い木とされる。源実朝の「金槐和歌集」は、「金」で鎌倉を表し、「槐」によって右大臣の位を指し示している。

「槐(えんじゅ)」の語源は「恵爾須(えにす)」であり、槐の種子の呉音である「槐子(えす)」から来ている。縁起が良い樹として「延寿」の字が当てられ、「槐」も「えんじゅ」と読むようになった。
「槐」の漢字は、魔除けのために鬼門に植えられたことを表している。

醍醐天皇が雷を嫌ったために、空海は雷避けのために槐を加茂川東岸に植えたという。

【槐の花の俳句】

又しても槐の花のゆらぎかな  岡井省二

▶ 夏の季語になった花 見頃と名所



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