季語|土用鰻(どよううなぎ)

晩夏の季語 土用鰻

土用鰻の季語俳句四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間、つまり、季節の終わりを土用という。「土用」とは、陰陽五行説で、土の気がもっとも働く期間のことである。因みに、春土用は戌の日に「い」のつく食べ物、夏土用は丑の日に「う」のつく食べ物、秋土用は辰の日に「た」のつく食べ物、冬土用は未の日に「ひ」のつく食べ物を食べると良いとされている。

「土用鰻」とは、夏の土用の丑の日に鰻を食べる事。また、食べる鰻のこともいう。この日に鰻を食べることで、夏負けしないと言われる。
古くから滋養強壮に良いと認識されていた鰻は、夏になると食味が落ちるために人気がなかった。そこで平賀源内が一計を案じ、丑の日に「う」のつくものを食べると良いという伝承を利用し、「本日土用の丑の日」と大書して、夏場の鰻屋の窮状を救ったという。また、鰻屋「神田川」に頼まれて、丑の日の鰻の狂歌を歌った太田南畝が、宣伝に一役買ったとの話もある。
青山白峰の「明和誌」(1822年)に、「土用に入、丑の日にうなぎを食す、寒暑とも家毎になす。安永天明の頃よりはじまる」とあり、土用鰻は、18世紀中ごろより一般化したと考えられている。

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【土用鰻の俳句】

遣り過す土用鰻といふものも  石塚友二

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