仲夏の季語 夾竹桃
キョウチクトウ科キョウチクトウ属セイヨウキョウチクトウの亜種であるキョウチクトウは常緑広葉樹で、熱帯地域では一年中花が咲くが、日本では6月から9月頃に開花し、夏の季語となる。寒さには弱いため、生育するのは関東以南である。花の色は桃色であるが、赤や黄色、白などの園芸品種もある。
インド原産で、江戸時代中期に中国経由で渡来した。原爆が投下された広島市では、焼土にいち早く咲いた花として復興のシンボルとなり、広島市の花に指定されている。
夾竹桃は乾燥や大気汚染に強いため街路樹としてよく植えられているが、強い毒を持ち、死亡例も報告されている。花にも毒が含まれている。
「きょうちくとう」の名は、漢名の「夾竹桃」を音読みにしたもの。葉は竹に、花は桃に似ていることから、竹と桃を併せたような植物という意味がある。