仲夏の季語 葵
アオイ目アオイ科の植物には、タチアオイ、ムクゲ、ハイビスカス、フヨウのほか、オクラやワタにいたるまで、多くの種類がある。日本には、タチアオイが薬用として古くから渡来していたと考えられている。万葉集にはよみびと知らずの歌として、
梨棗黍に粟つぎ延ふ葛の 後も逢はむと葵花咲く
がある。また、新古今和歌集では式子内親王が、
忘れめやあふひを草に引き結び かりねの野べの露のあけぼの
と歌ったが、ここでは「葵=あふひ」を「逢う日」に掛けている。
尚、葵の語源は、「仰ぐ日」である。これは、太陽に向かって花を咲かせるところから来ている。徳川家の家紋は「葵の御紋」と呼ばれ、三つ葉葵で知られている。