晩夏の季語 黄蜀葵
とろろあおい・花おくら(はなおくら)
アオイ科トロロアオイ属トロロアオイ。原産地は中国で、7月から9月頃、同属のオクラに似た一日花をつける。ただし、花は掌サイズで、オクラに比べてかなり大きく、実も食用にはむかない。
蜀葵は立葵の別名で、黄色い立葵という意味であり、同じアオイ科の植物ではあるが、立葵はタチアオイ属になる。また、とろろあおいの名は、根からネリと呼ぶ粘液をとるところからきている。この粘液は、紙漉きの添加剤として使用する。
俳諧歳時記栞草(1851年)では、「黄蜀葵(とろゝ)」として秋之部八月に分類され「側金銭花(そくきんせんくわ)」の別名を載せる。
【黄蜀葵の俳句】
燈台の風くるとろろあふひかな 星野麥丘人