季語|辛夷(こぶし)

仲春の季語 辛夷

辛夷の俳句と季語モクレン目モクレン科モクレン属の落葉高木で、「田打ち桜」とも呼ばれる。日本原産。3月から5月に白い花をつける。果実の形状が握りこぶしのように凸凹していることが、コブシの名前の由来である。
同じモクレン属で花季も重なるハクモクレンと似ているが、コブシは花の付け根に葉が観察されるのに対し、ハクモクレンは花が散ってから葉が出る。

平安時代の「本草和名」には「やまあららぎ」の古名も見え、すでに薬効が知られていた。夫木和歌抄には藤原為家の

うち絶えて手を握りたるこぶしの木 心狭さをなげく頃かな

が載る。昭和52年には、千昌夫の演歌「北国の春」がヒットし、歌詞の中で使われた「辛夷」が郷愁を誘うものとなっている。

【辛夷の俳句】

咲く枝を折る手もにぎりこぶしかな  松江重頼

▶ 春の季語になった花 見頃と名所

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