季語|鳥兜(とりかぶと)

仲秋の季語 鳥兜

鳥頭(とりかぶと)

鳥兜キンポウゲ科トリカブト属の植物の総称で、ヤマトリカブト・ホソバトリカブトなど、日本には約30種が自生している。栽培種もあり、平地から高山まで比較的普通に見られる植物で、葉はヨモギとよく間違えられる。7月から10月頃に花をつける。
全草に毒性アルカロイド(アコニチン等)を含み、ドクウツギやドクゼリとともに、日本三大有毒植物の一つに数え上げられる。トリカブトに含まれるアコニチンの致死量は約5gであるが、葉を数グラム食べるだけで数十分で全身が痺れ、呼吸不全になって死亡することもあるという。解毒剤はないため、中毒時は胃洗浄を行う。
毒性は強いが漢方として利用することがあり、根を烏頭(うず)とか附子(ぶし)と呼んで生薬にし、鎮痛などに用いる。ちなみに、醜い者を「ブス」と呼ぶことがあるが、附子中毒で顔がゆがんだ状態を言ったものだとする説がある。
語源は、花の形が舞楽などで用いられる鳥兜に似ているところにある。

【鳥兜の俳句】

今生は病む生なりき鳥頭  石田波郷

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