俳句

季語|南瓜(かぼちゃ・なんきん・なんか)

仲秋の季語 南瓜

南瓜の季語と俳句ウリ科カボチャ属の蔓性の一年草で、栽培品種は大きく分けてニホンカボチャ・セイヨウカボチャ・ペポカボチャの3系統がある。
原産はアメリカ大陸で、ニホンカボチャは、大航海時代に広まり東南アジアで栽培されていたものが、戦国時代にポルトガル船によって九州に伝播したものである。カンボジアから持ち込まれ、豊後国の大友宗麟に献上されたとされる。
ニホンカボチャは、溝が入った形状から「菊南瓜」とも呼ばれる。有名な品種に、瓢箪型をした京都特産の鹿ケ谷南瓜がある。春に播種し、秋に収穫する。
ちなみにセイヨウカボチャは、幕末の1863年にアメリカから伝わり、冷涼な北海道などに広まった。

「かぼちゃ」の語源は、伝来した「カンボジア」にあり、「南瓜」には、南蛮渡来の瓜の意がある。「なんきん」は、伝来において寄港地となった「南京」に由来する。
「唐茄子」と呼ばれることもあるが、「羇旅漫録」(曲亭馬琴1803年)には「とうなすといふもの箱根より西になし」とあり、かつては関東で栽培されていた一品種だったと考えられている。

冬の季語に「冬至南瓜」があるが、明治時代ころからの風習で、風邪をひかないように冬至に栄養価豊富な南瓜を食べるというものである。
ハロウィンには南瓜が活躍するが、本来は、魔よけの力を持つとされる蕪が用いられていたとされる。しかし、アメリカに伝来すると、入手しやすい南瓜が用いられるようになったという。
慣用句の「南瓜に目鼻」は、丸顔で太った背の低い人を指す。同じような不器量を表す言葉に、「南瓜頭」がある。

【南瓜の俳句】

鶺鴒がたたいて見たる南瓜かな  小林一茶

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