季語|擬宝珠(ぎぼうし・ぎぼし・ぎぼうしゅ)

仲夏の季語 擬宝珠

擬宝珠の花(ぎぼうしのはな・ぎぼしのはな)

擬宝珠の俳句と季語キジカクシ科リュウゼツラン亜科ギボウシ属の総称で、日本ではオオバギボウシやコバギボウシなどが山地の湿り気の多い場所に自生する。6月から7月頃に紫や白の花をつけるが、その蕾が擬宝珠に似ることから「擬宝珠」の名がついた。
朝開いて夕方には萎れる一日花であるが、花茎に多数の花をつけて、下から順に咲いていくので、数日間花を楽しむことができる。

最も多くの種が存在するのは日本であり、シーボルトらによって日本からヨーロッパに渡った。それが園芸品種として改良され、再び日本に持ち込まれている。海外ではオーストラリアの植物学者の名に因んで「ホスタ」と呼ばれ、日本でも「ホスタ」と呼ばれることが多くなった。

俳諧歳時記栞草(1851年)には夏之部五月に分類され、「玉簪(ぎぼうし)」として立項されている。ここには、「花の象を以て名を命す」ともあるが、葉の形が橋の欄干の擬宝珠に似ているところから「ぎぼうし」と呼ぶとの説明もなされている。

【擬宝珠の俳句】

ぎぼし咲き海霧がむしばむ一墓標  金尾梅の門

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