新春の季語 恵方
恵方詣(えほうまいり)
陰陽道で歳徳神がいる方角を恵方とし、正月にはその方角から歳神が訪れるとする。十干に従い、年によって方角は変わる。年初にその方角の寺社に参拝することを恵方詣と言い、平安時代から続く習慣であった。現代ではそれが、方角に関係がない「初詣」にとってかわった感がある。
1998年頃から盛んになった風習に、節分に恵方を向いて「恵方巻」を食べるというものがあるが、今のところ「恵方巻」は季語とはなっていない。本来「恵方詣」は旧暦に則った習慣であり、節分のあとに行われていた。新春の季語としている現在の感覚から言えば、約1カ月のずれがある。