北海道の季語と俳句

北海道の御当地季語

流氷(春の季語)
オホーツク海の流氷は、シベリアで生まれたものが流されてきたもの。見頃は1月中旬から3月。網走市や紋別市から流氷観光船が出る。

鰊群来(春の季語)
2月から3月にかけて、産卵期のニシンが大群で北海道西岸に押し寄せる。「にしんくき」と読み、北海道方言とも言われる。

渡り漁夫(春の季語)
鰊漁のために北海道に渡る雇われ漁師。

リラ冷え(春の季語)
渡辺淳一の1971年の小説「リラ冷えの街」で一般化されたが、榛谷美枝子の1960年の俳句「リラ冷えや睡眠剤はまだきいて」「リラ冷えや十字架の墓ひとところ」が元になっている。

札幌祭(夏の季語)
6月14日から16日にかけて開催される北海道神宮の例祭。

夕張メロン(夏の季語)
マスクメロンの一種で、1961年に誕生。品種名は「夕張キングメロン」。「夕張メロン」は商標名。

蝦夷梅雨(夏の季語)
北海道には梅雨がないと言われているが、夏場の北海道では、小雨と曇りが数日続く状態を蝦夷梅雨と呼んでいる。

漁夫帰る(夏の季語)
北海道に鰊漁に来ていた漁師が故郷に帰ること。

松前渡る(夏の季語)
江戸時代に商人が、海産物の豊かな松前藩に渡ったことをいった。

松前帰る(秋の季語)
海産物を求めて松前藩に渡った商人が、本州に帰ることをいった。

厚岸草(秋の季語)
日本においては、1891年に初めて厚岸町厚岸湖のカキ島で発見されて、厚岸草の名がついた。

秋味(秋の季語)
産卵のために川を遡上する鮭のこと。塩鮭のこともまた秋味という。北海道特有の呼び名である。

花咲蟹(秋の季語)
主に根室市で水揚げされる蟹で、タラバガニの近縁種。漁期は7月から9月。

蝦夷仙入(秋の季語)
スズメ目ウグイス上科センニュウ科の鳥。6月から10月に北海道で見られ、北海道で繁殖する渡り鳥。

石狩鍋(冬の季語)
鮭を使って味噌で調味した鍋。石狩市の割烹「金大亭」が元祖で、鮭が遡上する石狩川に因んで命名したとされる。

ダイヤモンドダスト(冬の季語)
細氷ともいい、大気中の水蒸気が昇華して、微細な氷の結晶が降る。

丹頂(冬の季語)
北海道東部に周年生息している頭の赤い鶴。主に釧路湿原周辺に棲んでいる。

羆(冬の季語)
本州以南に生息するツキノワグマに比べて大きい。日本では北海道のみに生息し、正式にはエゾヒグマという。

蝦夷狼(冬の季語)
かつて北海道にいた狼であるが、1900年頃に絶滅した。

北海道を詠んだ俳句

流氷や宗谷の門波荒れやまず 山口誓子
第一句集「凍港」所収、1926年の俳句。少年時代に樺太に住んだ誓子は、流氷の宗谷海峡を渡って北海道に入った。

秋の航一大紺円盤の中 中村草田男
1933年8月の北海道旅行で、青函連絡船に乗った時の俳句。「ホトトギス」1934年12月号巻頭。

ご当地季語と御当地俳句