京都府の俳句旅

7月の俳句旅|祇園祭

日本三大祭のひとつ祇園祭は、「祗園会」や「鉾」など、多くの夏の季語を生み出した祭りでもある。この、京都の夏の風物詩を詠み込んだ句は多く、芭蕉の高弟宝井其角

鉾にのる人のきほひも都かな

八坂神社と詠んでいる。
因みに祇園祭は八坂神社の祭礼で、平安時代に流行した疫病を鎮めるために、行疫神を祀る祇園社で御霊会を行ったのが起源である。
現在では7月1日から7月31日にかけて、神輿渡御や神輿洗・山鉾行事など、様々な祭事が執り行われる。特に山鉾行事は有名で、「山鉾巡行」や「宵山」には、30基を超える華やかな山鉾が京都の街を練り歩く。
山鉾巡行の前祭は7月17日、後祭は7月24日に行われ、それぞれその前日から3日前までが宵山となる。その日、京都は一年で最もあつくなる。

【八坂神社】
「祇園さん」「八坂さん」と親しみを込めて呼ばれる東山区祇園町にある大きな社で、全国の八坂神社の総本社である。主祭神は素戔嗚尊・櫛稲田姫命・八柱御子神。江戸時代までは中の座に牛頭天王が祀られ、祇園精舎を守護する神とされ、素戔嗚尊と同じ神であると言われていた。斉明天皇二年に、調進副使伊利之使主が高麗より来朝し、新羅の牛頭山に祀られていた素戔嗚尊を八坂郷に勧請したのがはじまりと伝わる。祇園祭は、貞観11年(869年)の疫病流行時に、神泉苑に鉾66本を建てた御霊会を起源とし、天禄元年(970年)から恒例となった。