俳句

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村上鬼城 

小春日や石をかみいる赤とんぼ 
残雪やごうごうと吹く松の風 
冬蜂の死にどころなく歩きけり  (ホトトギス)
闘鶏の眼つぶれて飼はれけり 
己が影を慕うて這へる地虫かな 
生きかはり死にかはりして打つ田かな 
秋の暮水のやうなる酒二合 
親よりも白き羊や今朝の秋 
川底に蝌蚪の大国ありにけり 
七夕や暗がりで結ふたばね髪 
糸瓜忌や俳諧帰するところあり 
若水のけむりて見ゆる静かな 
年玉や水引かけて山の芋 
鍬始浅間ケ岳に雲かゝる 
相撲取の金剛力や鏡割 
秋聲や石ころ二つ寄るところ 
折さしてかたき蕾や冬の梅 
後の月に明るうなりぬ八重葎 
苔咲くや親にわかれて二十年 
亀鳴くと嘘をつきなる俳人よ 
筍の親竹遠くはえにけり 
蚊柱や吹きおろされてまたあがる 
白菊やうすべにさして狂ひ咲き 
大根引くや低くさがりて鳶の声 
いさゝかの金欲しがりぬ年の暮 
ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな 
木の芽してあはれ此世にかへる木よ 
かりそめに京にある日や虎が雨 
浅間山の煙出て見よけさの秋 
雹晴れて豁然とある山河かな 
夏夕べ蝮を売つて通りけり 
虎耳草うゑる穴あり聖石 
痩馬のあはれ機嫌や秋高し 
女房をたよりに老ゆや暮の秋 
岩の上に咲いてこぼれぬ山帰来 
樫の実の落ちて馳け寄る鶏三羽 
蟻出るやごうごうと鳴る穴の中 

鷹のつらきびしく老いて 評伝・村上鬼城[本/雑誌] / 吉井たくみ/著
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