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柴田白葉女 

春の星ひとつ潤めばみなうるむ 
午後の日のいよいよ淡し春落葉 
深海の色を選びぬ更衣 
水鳥のしづかに己が身を流す 
沖荒れてひかり失なふ石蕗の花 
鰯雲しづかに照りて家とほし 
掛大根月あそばせて家眠る 
濁り江に梅雨雲染まる祭の日 
晩年やあまりに淡き春の虹 
アマリリス炎のいろ珈琲香だちゐて 
日雀来てをり朝の日が森に 
梅雨茸や赤前垂れの石仏