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伊藤白潮 ●

抱き止むるから東風の野を走り来よ 季
春一番来し顔なればまとまらず 季
職退いてからの冷房嫌ひなり 季
九月はじまる無礼なる電話より 季
颱風の力不足のままに去る 季
信心の足らぬ水洟すすり上ぐ 季
松七日喪中を盾の旅を過ぐ 季
読み札のいちまいを欠く歌がるた 季
狼も朱鷺も絶えたる国に生く 季