俳句

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片山由美子 

はなびらのごときをたたみ春日傘 
風船に引かれゆく子に手を引かれ 
すでに名の付きし子猫をもらひ来し 
鳥雲に湖をはなるる湖西線 
美しきうなじ蕾のシクラメン 
喪の菓子を食めばほろほろ薄暑かな 
木の花の香の高きより五月闇 
ばさと落ちはらはらと降り松手入 
髪よりも吹かれやすくて愛の羽根 
青松虫時雨新宿三丁目 
水草にはじまる園の紅葉かな 
まだもののかたちに雪の積もりをり 
煙草やめよと書き添へて寒見舞 
品書の鱈といふ字の美しや 
それらしき花となりゆき水中花 
まんさくのすつかり咲いてしまひけり