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福田蓼汀 

花杏夜も真白き伊豆へ来ぬ 
高原に一水走り猫柳 
山葵田を溢るゝ水の石走り 
泰山木樹頭の花を日に捧ぐ 
秋深し石に還りし石仏 
鵙の贄野茨は一葉だにとどめず 
神の山仏の山も眠りけり 
福寿草家族のごとくかたまれり 
生あるものこの冬蝶に逢ひしのみ 
花火の夜父逝きし日と縁に居る 
春暮るる雉子の頬の真紅 
河鹿聴く我一塊の岩となり 
暑気中り窓に隣りの壁があり 
たはやすくとられてかなし糸とんぼ 
なほとどむ戦禍晩秋の廃家屋 
苧環や歌そらんずる御墓守