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山口波津女 

香水の一滴づつにかくも減る 
すぐそばに深き海ある夜の涼み 
雪合戦休みてわれ等通らしむ 
寒木瓜の鮮かな紅衰へず 
初刷のはやとぢてあるホテルかな 
書初に日がさしさつと書きむすぶ 
毛糸編み来世も夫にかく編まん 
穀象といふ虫をりて妻泣かす 
金魚夜を如何に過すや人は寝る 
蜜柑山眼のみ頂上まで行けり 
旅一夜蜜柑の花を枕辺に 
雪渓と思ふあたりも夜の闇 
ぬれし手のとびらをあくる冷蔵庫 
とろろ薯摺る音夫にきこえよと