長谷川櫂 ●
をととひの花冷えが身にこたへしか 季焼串に鮎躍らせてありにけり 季旅びとの日かげにやすむ花みかん 季やはらかな蕗の畑に分け入りぬ 季筍や雨雲朱を含みたる 季初なすび水の中より跳ね上がる 季どの家か電話鳴り出す百日紅 季艪の音のしづかな秋となりにけり 季蜻蛉のかさりと止まる帽子かな 季榠樝の実刃を入れて刃の動かざる 季豆腐売けさの寒さをいひにけり 季大空に日はうすうすと枯茨 季あかがねの大仏こそ花の冷 季蝦蛄といふ禍々しくて旨きもの 季穴子裂く大吟醸は冷やしあり 季鱈場蟹おのが甲羅で煮られをり 季太郎とは男のよき名柏餅 季
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