春寒し赤鉛筆は六角形

はるさむし あかえんぴつは ろっかっけい

星野立子の絶筆

1984年(昭和59年)2月28日に、入院中の病院で詠まれた星野立子の最後の俳句で、辞世とも言えるもの。「露の世」(1985年)所収。この俳句を詠んだ3日後の3月3日に80歳で亡くなった。

星野立子は、1970年10月に脳血栓で倒れ、右半身が麻痺したために、左手に持ち替えた鉛筆で俳句を綴っていた。赤鉛筆は添削の時に用いたものか。季語は「春寒し」で初春の病床にある不安を映しているか。視界に映るものも、思いを書き記す紙の方ではなく「赤鉛筆」。本来はそれで丸印などを書き込むのだろうが、角ばった鉛筆の形の方が気になって、「今やろう」と思っていることとは別のところに心があることが読み取れる。

▶ 星野立子の句



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