俳句

一番に乙鳥のくゞるちのわ哉

いちばんに つばめのくぐる ちのわかな

一番に乙鳥のくぐるちのわかな小林一茶 52歳。「七番日記」文化11年(1814年)項にある。旧暦5月末の句か。このとき一茶は、ふるさと北信濃に滞在し、4月11日に初めて妻を娶ったばかり。5月5日には、妻の里である赤川を訪ねたりなどして、忙しく過ごしている。遺産相続問題も一区切りつき、一茶が最も充実していたであろう時期の句である。
つばめを「乙鳥」としたところに、現代に通じる恋心や愛情を見る。

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諏訪大社下社春宮の句碑(長野県諏訪郡下諏訪町)

一番に乙鳥のくぐるちのわかな諏訪大社春宮横の砥川の中州に浮島神社があり、その横に「一番に乙鳥のくゞるちのわ哉」の句碑が立つ。昭和60年に建立された真蹟を拡大したものと、同じ句を刻んだ副碑が並んで立つ。

浮島神社の御祭神は祓戸大神であり、浮島社祭と呼ばれる夏越祓が、6月末に行われるという。
【撮影日:2019年5月19日】

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