行水の捨てどころなし虫の声

ぎょうずいの すてどころなし むしのこえ

鬼貫の代表句

行水の捨てどころなし虫の声「佛兄七車」(1728年)にある、1690年頃に詠まれたと考えられる上島鬼貫の句。鬼貫句選(炭太祇1769年)に、「行水の捨どころなきむしのこゑ」。虫の声で「秋之部」に分類されている。
後に「鬼貫は夜中盥を持ち歩き」など、多くの川柳を生んだ鬼貫の代表句とも言えるものである。虫のことを思うと、行水に使った水を捨てることができないと詠んだ、鬼貫の優しさ。(あるいは、体内にひそむ虫が、禊を拒ませていると詠んだのであろうか…)

▶ 上島鬼貫の句



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