いくたびも雪の深さをたずねけり

いくたびも ゆきのふかさを たずねけり

子規の病中吟

子規全集より子規自画像(国会図書館)「寒山落木」巻五、明治29年(1896年)冬「雪」の項にある正岡子規の俳句。「病中吟四句」とあり、下記のように記されている。

雪ふるよ障子の穴を見てあれば
いくたびも雪の深さを尋ねけり
雪の家に寝て居ると思うばかりにて
障子明けよ上野の雪を一目見ん

子規は、この年の3月に結核性脊髄炎と診断され、寝たきり状態となっている。根岸の子規庵で詠まれたものだが、病の中にも苦しみの中に留まることなく、外の景色を愛でようとしている。それが、明治35年9月19日の死の間際まで続くのである。

普通であれば日常の一風景に過ぎない俳句であるが、子規だからこその凄みがあり、ここに物語が生まれている。

▶ 正岡子規の俳句



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