ちょうおちて だいおんきょうの けっぴょうき
「天の狼」(1941年)所収の富沢赤黄男の代表句と言われる俳句。初出は「旗艦」昭和16年(1941年)1月号。戦地からマラリアに罹り帰国していた頃の俳句で、新興俳句弾圧事件が進行しているときのものである。
季語は結氷(期)で冬。蝶の堕ちていくようなかすかな音でさえも大音響に聞こえるような、張り詰めた静けさを詠んでいる。初案は、「蝶絶えて大音響の結氷期」。
「天の狼」では連作の形式をとっており、「結氷期」の項に、
冬天の黒い金魚に富士とほく
冬蝶のひそかにきいた雪崩の響
蝶墜ちて大音響の結氷期
風雪の火焔めらめらはしる雉
風すさぶ夜は孤島と目を醒むる
の順で掲載されている。
▶ 富沢赤黄男の句
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