俳句

新宿ははるかなる墓碑鳥渡る

しんじゅくは はるかなるぼひ とりわたる

福永耕二の代表句

「踏歌」(1980年)所収の福永耕二の俳句。昭和53年(1978年)に詠まれた。季語は鳥渡るで秋。故郷の友人の鎮魂句とも言われている。

西新宿の超高層ビル群は1971年から建設され、この俳句が詠まれた1978年には6棟が林立していた。その超高層ビル群を墓碑に見立て、鳥は、残された者たちと捉えることができる。しかしその鳥もまた、黄泉へと渡り行く者たちである。この俳句が詠まれた2年後に、福永耕二は亡くなっている。42歳であった。

▶ 福永耕二の俳句



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