秋深き隣は何をする人ぞ

あきふかき となりはなにを するひとぞ

慣用句になった芭蕉句

秋深き隣は何をする人ぞ元禄7年9月28日(1694年11月15日)、死の14日前、大坂滞在中の松尾芭蕉の句。翌日に開催される芝柏亭での俳席のために詠んだもので、体調悪化のために参加できないと考えて認めておき、書き送ったもの。「笈日記」(各務支考1695年)に「明日の夜は芝柏が方にまねきおもふよしにて、ほつ句つかはし申されし。秋深き隣は何をする人ぞ」とある。「泊船集」(伊藤風国1698年)や「陸奥鵆」(天野桃隣1699年)などにも掲載される。
病気のために句席に出席できない芭蕉の悲しさが表れた句であるが、現代では「秋深し隣は何をする人ぞ」として、都会の孤独をうたった慣用句としてよく知られている。

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