梅一輪一輪ほどのあたたかさ

うめいちりん いちりんほどの あたたかさ

梅一輪一輪ほどのあたたかさ「玄峰集」や「遠のく」にに掲載される服部嵐雪の代表句。玄峰集の「春之部」に「梅」の前書きで掲載されるが、寒梅とも言われ、冬に分類されることがある。

▶ 服部嵐雪の俳句

句評「梅一輪一輪ほどのあたたかさ」

高浜虚子「俳句とはどんなものか」1927年

句意は梅の花が一昨日はただ一輪見えたのが昨日は二輪今日は三輪になってその梅の花のぼつぼつと数を増してくるに従って、どことなく春らしい暖かさも増してくるというのであります。もし春意というようなものが天地の間に動いたとするならば、一輪一輪と開いてゆく梅はそれをシンボライズしたようなものであります。それと同じ意味でその一輪一輪の梅は春暖のシンボルとして人の目に映ずるのであります。
この句は「梅」が季題であります。「暖か」というのもやはり季題でその方は「時候」の方に属するのであります。この句のごときは季重なりというものでありますが、季重なりはいけないと一概に排斥する月並宗匠輩の言葉はとるに足りませぬ。季重なりはむしろ大概な場合さしつかえないのであります。

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