やせがえる まけるないっさ これにあり
やせ蛙に対して胸を張る一茶
小林一茶の句である。4月18日に菅相山に入り、六川(長野県上高井郡小布施町)に滞在していた時の句か。前日は雷で夜は雨も、20日には晴れた。
「希杖本句集」には、「むさしの国、竹の塚といふに蛙たたかいありけるに見にまかる四月二十日也けり」の前書きがあり、東京都足立区の炎天寺で詠まれたとの説もある。
「蛙」は俳諧歳時記栞草にも春之部二月に分類される春の季語であるが、ここにいう旧暦四月二十日は「夏」で、「蟾蜍(ひきがえる)」である。
アズマヒキガエルは、産卵の雌を巡って争う「蛙合戦」の激しさで知られている。小林一茶の代表句とも目されるこの句は、2年前に51歳で結婚した自らの境遇を顧みて詠まれた応援歌だとも言われている。それを踏まえて意味を考えるなら、「不遇に苦しんできた一茶でも、年老いて結婚することが出来た。だから諦めることはない。頑張れ!」といったところになるだろうか。
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