晩春の季語 岩燕
ツバメ科ツバメ属イワツバメは、ツバメより小ぶりで、ツバメに比べて尾羽の切込みが浅い。腰が白い羽毛で覆われるのもイワツバメの特徴である。九州以北に夏鳥として飛来し、温暖な地方では越冬することもある。
3月中旬から4月頃に飛来し、海岸や山地の岩場に、泥と枯れ草を使って壷形の巣をつくる。最近では、コンクリートの建造物に、集団で営巣する様子も観察される。8月頃まで繁殖活動を行い、そのほとんどのものは秋に南へと去っていく。
因みに広東料理の高級食材となる「燕の巣」は、本種のものではなくアマツバメ科の鳥の巣で、ツバメやイワツバメとは全く違う種類の鳥である。
【岩燕の俳句】
岩燕風を嫌ひて濤を好く 原裕