俳句

季語|卯の花(うのはな)

初夏の季語 卯の花

山卯木(やまうつぎ)

卯の花(ウツギ)アジサイ科ウツギ属の落葉低木にウツギがあり、5月から6月頃に白い花をつける。ウツギは「空木」と書き、茎が中空になっているところからこの名前がついた。
「卯月」に関して、十二支の4番目が「卯」であるところからきているという説があるが、十二支を使用した中国の暦では、冬至を含む月を子月とするため、卯月は旧暦の2月。そのため、卯の花が咲く頃という意味で、旧暦4月は「卯月」となったという説が有力である。

佐佐木信綱作詞の童謡「夏は来ぬ」で「卯の花の匂う垣根に~」と歌われているように、卯月は夏の始まり。卯の花は初夏を象徴する花であり、夏の季語となる。
万葉集には「卯の花」を歌ったものが24首あり、その多くに、「夏は来ぬ」で歌われるようにホトトギスが登場する。石上堅魚の

霍公鳥来鳴き響もす卯の花の 伴にや来しと問はましものを

は、ホトトギスに問いかけようとしている。卯の花と一緒に来たのかと。
また、梅雨前の長雨を「卯の花くたし」というが、これも万葉集に載る大伴家持の一首

卯の花を腐す長雨の始水に 寄る木屑なす寄らむ子もがも

からきている。ただし、八雲御抄では「春されば卯の花ぐたし我が越えし 妹が垣間は荒れにけるかも」を根拠とする。

花ことばは「謙虚」。おからのことを「卯の花」とも言うが、これはともに白色をしているところからきた。

【卯の花の俳句】

卯の花に母の写真の古りにけり  石田郷子

▶ 夏の季語になった花 見頃と名所

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