仲夏の季語 河骨
スイレン科コウホネ属の多年生の水草で、ナガバコウホネや、萼片が赤いベニコウホネなどがある。日本固有種で、北海道から九州の、水深が浅い湖沼や河川や水路などに生育するが、現代では分布域が縮小し、絶滅危惧種に指定されている地域も多い。
花期は5月から10月で、地下茎から水上へと伸びた花柄の先に、5センチくらいの黄色い花を咲かせる。地下茎を乾燥させたものは川骨(せんこつ)と呼び、止血や利尿効果などがある生薬となる。
河骨の名の由来は、水中の白い地下茎が骨のように見えるところにあると言われる。俳諧歳時記栞草(1851年)では夏之部五月に分類され、「萍蓬」の字が当てられている。
観賞用に栽培されたり、生け花に用いられたりもする。
【河骨の俳句】
河骨や終にひらかぬ花盛 山口素堂